
8月6日、原宿ラフォーレ。この日、「ゾンビ屋敷ZDU」のお披露目イベントが開催。 我々、wikiaもそのイベントに潜入。ゾンビ屋敷を体験し、さらにはプロデューサーであるマイケルティー氏(以下、M氏)に直接、ゾンビ屋敷の話を聞くことが出来ましたのでその模様をお届けします。
ゾンビ屋敷について

――早速ですが、ゾンビ屋敷の魅力について語っていただけますか?
M氏
まずはお化け屋敷とは違うということですね。お化け屋敷は実体が見えないオバケをあつかっていて怖がらせたり驚かせたりするものですが、ゾンビ屋敷はお化け屋敷とは違って怖すぎないように作られていて、どちらかというキャストが演じるゾンビに会いに来てもらうということが売りのアトラクションです。
――どういうことですか?
M氏
実は、僕がプロデュースするアトラクションのお客さんの7割以上が女性なんです。USJのゾンビイベントや去年の大阪でのゾンビ防衛大学でもそうだったんですけど、女性のお客さんがとても多くて、更にはキャストの求人でゾンビなりたいって人も女性が多いんですよ。
なので、お化け屋敷は逃げるだけですが、ゾンビ屋敷はサファリパークみたいに、ゾンビに会いに来てファンになってもらうというコンセプトで作っています。また、場所が原宿ということもあり大阪の時よりも職業とかコスチュームとかを際立たせてキャラクターを強調しています。
なので、お化け屋敷は逃げるだけですが、ゾンビ屋敷はサファリパークみたいに、ゾンビに会いに来てファンになってもらうというコンセプトで作っています。また、場所が原宿ということもあり大阪の時よりも職業とかコスチュームとかを際立たせてキャラクターを強調しています。

――なるほど、それは違いますね。
M氏
ええ。また、集団で行動するところもお化け屋敷とは違うところで、ひとりとかペアで進むのではない楽しみ方ができます。去年の大阪の時はお笑い芸人のガリガリガリクソンさんがゾンバリアーのボタンを連打して「いってくれー」って叫んだですが、それがそういう遊び方として広まったり。
――それは面白いですね(笑)。
M氏
本当はゾンビを銃で撃ちたいところなんですが、それはさすがに無理でしたので(笑)……。それもあってゾンバリアーという装置を開発しました。これらの遊びはゾンビだからこそ生まれたアトラクションですね。

――では次に、施設内のゾンビについてお話しいただけますか?
M氏
施設の研究員、購買部にいるコックのゾンビなどが居るなか、ゾンビ屋敷を訪れたお客さんがゾンビになってしまったという設定のゾンビも居ます。ギャルのゾンビやBボーイのゾンビがそれなんですが原宿っぽさがでています。
去年はナースゾンビがカワイイと人気でした。ゾンビは十数体いてバリエーション豊富なので是非見ていただければと思います。
去年好評だったけれど原宿では登場させられなかった 大阪の虎柄おばちゃんゾンビは模型で展示されていますのでぜひ発見してください。
去年はナースゾンビがカワイイと人気でした。ゾンビは十数体いてバリエーション豊富なので是非見ていただければと思います。
去年好評だったけれど原宿では登場させられなかった 大阪の虎柄おばちゃんゾンビは模型で展示されていますのでぜひ発見してください。
――マイケルティーさんが考えるゾンビについて聞かせてください。
M氏
今、ゾンビウォークをしている人たちって昔で言うヒッピーみたいなものだと思っているんですよね。職業とか格差とかそういうものを取っ払って自由になれるというか。ドラキュラとかフランケンとかと違って自分たちもなりそうっていうか、他の怪物とちがってとても親しみのあるモンスターなんだと思います。
――ゾンビブームについてはどうお考えですか?
M氏
続きになりますが、ゾンビウォークなどは変身願望に火が付いたものだと考えています。
そういえば、数年前あたりからアメリカでゾンビ災害に対する保険が販売されたり、政府がゾンビに対する対策マニュアルを作ったりしていますけど、保険はおいておくとしてゾンビ災害のマニュアルはパニックになった人間たちによる災害を想定して作られたんですよね。
それを人だと言うと特定の何かを想像する人が居て面倒なことになるのでゾンビ災害の対策としてマニュアルが作られたんだそうで……。
日本だと『ワーキングデッド〜働くゾンビたち』というゾンビのコメディ・ドラマが作られましたが、身近にいるかもしれないというか、
身近な人のイメージに近いものがゾンビにはあるのだと思います。ゾンビメイクについて

――マイケルティーさんのメイク術についてお聞かせください。
M氏
実は独学なんですよ。専門学校で講師をしたこともあるんですけど、学びに通ったことはないんです。日本のトップのメイクアップアーティストたちはゾンビ好きな人も多いのですが、日本映画にゾンビ作品があまりなかったのでそのような仕事をしてこなかったんだと思います。僕の場合はアトラクションから作って特殊メイクをするということでやりたいことが出来たので、そこが他のアーティストさんと違ったりします。
――では、素人がゾンビメイクをする際のポイントとかあれば教えてください。
M氏
そうですね。ゾンビ屋敷のキャストは僕が教えて、自分でメイクをさせているんですが、一番のポイントは自分の頭蓋骨を意識して陥没したい骨格にシャドウを入れることですね。
日本人の顔は平たいので、まず自分の手で顔を触ってくぼんでいる所に黒色を入れるといいと思います。これが外国の方だと凹凸がはっきりしているのでそこまで念入りにしなくても様になりますが、日本人の場合はそこに注意すると良いですね。
他には、血のりを分けるということも重要ですね。素人の方のゾンビメイクを見ていると自分から出た血と、獲物を襲ったときの返り血とが同じ色なんですよ。
返り血は新鮮な血で、自分から出たのはゾンビの体から出た腐った血なので区別するべきですね。自分から出ているのはどす黒い色にすると良いです。
日本人の顔は平たいので、まず自分の手で顔を触ってくぼんでいる所に黒色を入れるといいと思います。これが外国の方だと凹凸がはっきりしているのでそこまで念入りにしなくても様になりますが、日本人の場合はそこに注意すると良いですね。
他には、血のりを分けるということも重要ですね。素人の方のゾンビメイクを見ていると自分から出た血と、獲物を襲ったときの返り血とが同じ色なんですよ。
返り血は新鮮な血で、自分から出たのはゾンビの体から出た腐った血なので区別するべきですね。自分から出ているのはどす黒い色にすると良いです。
あと、細かいですが噛みついたときの口の周りの血を鼻の下にもつけるとか、そのような
こだわりが作るので大事にしてほしいです。
――細部へのこだわりが重要なんですね。
M氏
はい、それと重要なのは自分の顔を理解するという事です。自身の個性は消さないようにすると面白いです。
女性だと自分の可愛いところは消さないようにします。
顔を縦半分、横半分で考えてその人の良い所とか人間味のある個所を残します。なるべく自分の友人や恋人がゾンビになってしまったらどうなるかを想像して、その人だと分かってもらえるニュアンスをつけたいですね。
日本の場合は土から上がってきたゾンビではないので、人間味は重要なポイントだと思います。
女性だと自分の可愛いところは消さないようにします。
顔を縦半分、横半分で考えてその人の良い所とか人間味のある個所を残します。なるべく自分の友人や恋人がゾンビになってしまったらどうなるかを想像して、その人だと分かってもらえるニュアンスをつけたいですね。
日本の場合は土から上がってきたゾンビではないので、人間味は重要なポイントだと思います。
ゾンビウォークをするときのポイント
――では、メイクしていざ動くという時、何かポイントはありますか?
M氏
獲物の目を見てはいけないということです。これは『ウォーキング・デッド』の監督が言っているんですが、オバケみたいに恨みつらみがあるわけではないので睨みつけないで、目を合わせず目線を外して何を考えているか分からないようにすることが大事です。常に血の匂いを求めて獲物を探しているという感じです。
あと、左右のバランスも崩した方がいいですね。背骨を抜かれていて骨格が歪んでいるような感じを出す。それと筋を見せる。首筋とか腕の筋とかを見せると良いですね。
あと、左右のバランスも崩した方がいいですね。背骨を抜かれていて骨格が歪んでいるような感じを出す。それと筋を見せる。首筋とか腕の筋とかを見せると良いですね。
――アメリカと日本のゾンビの違いについてはどう思いますか?
M氏
まず見た目が違います。日本とアメリカとでは顔の堀の深さが大きな違いになりますが、それとは別に日本のゾンビは発声があまり良くない。
それで、日本のゾンビの場合は実在感を高める必要があると思い、それもあってゾンビ屋敷では日本の生活文化を強く出すようにしているんです。本当にいるんじゃないか、自分もなるんじゃないかというものを作りました。
それで、日本のゾンビの場合は実在感を高める必要があると思い、それもあってゾンビ屋敷では日本の生活文化を強く出すようにしているんです。本当にいるんじゃないか、自分もなるんじゃないかというものを作りました。
好きな作品、これからの予定について

――おすすめのゾンビ作品があれば教えてください。
M氏
僕は映画よりもゲームの影響が強いんですよね。個人的には『バタリアン』が好きなんですがゾンビではないって言われていますよね。
ゲームだと『バイオハザード』が好きですね。その要素も盛り込んでいます。
ゲームだと『バイオハザード』が好きですね。その要素も盛り込んでいます。
実は「踊る大捜査線」が好きでその影響がゾンビ屋敷に出ていたりするんですよ。そのあたりは施設の中を探してみても面白いと思います。
――今後、マイケルティーさんがプロデュースするアトラクションの予定などがあれば教えてください。
M氏
長崎で「オバケリア廃墟モール」というものを作っています。「スーマ君」というネズミ着ぐるみの元有名人気キャラクターが、自分の人気を奪ったゆるキャラたちをチェーンソーで惨殺しはじめるというものです。
――えっ(笑)、どういうことですか?
M氏
廃墟の中にゆるキャラの中の人を監禁している「スーマ君」が居て、その監禁された人を救出するというものです。着ぐるみの楽屋に入り正体を知ると命が無いという(笑)。ゾンビも幽霊もないのですが、新感覚のお化け屋敷として作っています。
――それは面白そうですね。
最後になりますが今後やりたいことなどがあれば教えてください。
最後になりますが今後やりたいことなどがあれば教えてください。
M氏
ディズニーが『パイレーツ・オブ・カリビアン』をアトラクションから映画にしたように、ゾンビ屋敷もアトラクションから映画になるようなイメージで作っています。設定を細かく作って、コンテンツとして成長していくことを考えていますね。いずれそういうものが出来たらと思っています。
――なるほど、なので設定やネタ要素が深いんですね。
M氏
小ネタはたくさんあるので、探してほしいですし、見つけてツイッターとかでつぶやいてもらえると嬉しいですね。リピーターの方はそのような発見も楽しんでもらいたいと思います。
